アメリカ不動産投資は「節税保険」の代替手段となり得るか?

大手生命保険各社が「節税保険」の販売停止を相次いで発表している。本商品により税効果を享受していた中小企業経営者は、新たな対策の検討が急務となった。本記事では、アメリカ不動産投資をはじめとした、「節税保険」の代替手段となり得る対策について解説していく。

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米国不動産減価償却節税保険

「本来の保険の趣旨から逸脱している」との指摘

2月も後半を迎え、確定申告の時期になりました。この時期に気になるのが節税です。先日、中小企業経営者向けの生命保険、いわゆる「節税保険」が国税庁や金融庁から商品の見直し要求を受け、大手生命保険各社が商品の販売を停止することになった報道は世間を騒がせました。今回は、話題の「節税保険」を中心に、その他の節税方法について考えてみたいと思います。

◆「節税保険」の仕組み

国税庁や金融庁からメスの入った「節税保険」とは、どのような保険なのでしょうか?

「節税保険」とは、経営者が死亡したときに備えて企業が加入する保険のことで、平成29年4月に日本生命が法人向けの新商品「プラチナフェニックス」を発売して以来、各生命保険会社が競って販売してきました。

そのセールスポイントは、保険料を全額経費として計上できるので、法人税が「節税」できる点です(課税の繰り延べ)。また、一定期間経過後に解約をすれば、それまでに支払った保険料の大半が返戻され、それを役員の退職金などに充てれば、その課税も回避できるので節税にはまさにうってつけの商品なのです。

返戻率は80%前後で、一見支払った保険料よりも少ない金額しか戻ってこないように思えますが、実質返戻率(支払保険料から、保険料により軽減できた法人税額を差引いた金額に対する返戻金の比率)は2年目からプラスとなり、5年目には120%を超えるものが多いのです。

◆「節税保険」に対するメス

この「節税保険」では、中途解約を前提とした契約が相次いでおり、以前から問題視されてきました。そこで今回、「節税保険」とその販売手法は、本来の保険の趣旨から逸脱しているとして、見直しが求められたのです。さらに国税庁は、税務上の取り扱いを見直しており、すでに支払った保険料に対する返戻金が50%を超える商品については、経費(損金)に算入できる範囲が制限される可能性があります。

4年間での減価償却が可能となる米国不動産だが…

◆その他の節税方法

これまでにも、節税をうたう商品への規制がありました。グリーン投資減税による太陽光発電設備の即時償却が、平成28年3月で打ち切りとなったことは記憶に新しいのではないでしょうか。一括償却できる節税策として注目を集めていましたが、償却期間は17年となってしまいました。

そのなか、保険を使った節税スキームにもメスが入ってしまったのです。しかも、「節税保険」に対する規制は、過去と比べても非常に厳しくなっています。

しかし、節税方法は他にも残されています。コインランドリー、コンテナ、ジェット機、ヘリコプター、船、そしてアメリカ不動産投資などが有名です。

特にアメリカ不動産投資は、成熟したセカンドマーケットにより流動性が高く、安定したインカムゲインやキャピタルゲインも得られ、他の節税方法とは大きく異なります。また、日本の不動産とは対照的に、建物の価格が土地よりも高いため、減価償却の対象額が大きくなります。築22年以上の木造物件を購入すれば、法人はもちろん、個人でも購入不動産を4年間で減価償却することができるのです。

このように、メリットの多いアメリカ不動産投資ですが、近いうちに、こちらの節税策にもメスが入ることも考えられます。ただ税制改正となった場合でも、改正前に購入した不動産の登記さえ完了しておけば、現行の税制を利用できる措置が取られるはずです。これを機に、新たな節税策を検討してみてはいかがでしょうか。

2019年2月25日 配信